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島根県のハードコアパンクバンド、ヤンキー少女、改めSOFT、改めストーナーロックバンドPOSTOVOIのボーカルjunkieの公式ブログ!!!
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映画秘宝5月号は平成ベスト10特集だった。1位は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。まぁ当然でしょうね・・・。編集部の独断と偏見と最初から銘打っているので個人的に首肯しかねる部分もあるにはあるが(特に「この世界の片隅に」がランクインしているのは解せない。悪い映画ではないが・・・)、全体的には共感する部分の多いベスト10であった。特に柳下毅一郎が「ダークナイト」ではなく「バットマン・リターンズ」を選んだことには心から敬意を評したいと思う。また、中盤の平成ロボット特集は本当に必読。むしろこれを読むために買った方がいいとすら思える!

映画秘宝に影響されて自分も平成映画のベスト10を考えた。
が、30年間のベストとなると本当に難しい・・・。もうほとんど直感で選んだようなものだが、自分に対する記録として、以下に私のベスト10を記す。

1位「スターシップ・トゥルーパーズ」(ポール・ヴァーホーヴェン)
 →永遠の傑作。人生が変わった。読む人間を一人残らず軍国主義のブラックホールに引きずり込む(ある意味では)右翼SFの金字塔としての価値しかない原作にリスペクトを一切払わず、むしろ原作に込められた戦争マンセーの要素を徹底的にバカにすることで結果的にありとあらゆるナショナリズムに引導を渡す暴力の一大スペクタクルを作り上げてしまった、映画史に残るとんでもない偉業。戦争に大義もクソもねえ!!!という当たり前の(しかしみんな賢しらに気づかないふりをしている)事実をここまで明快に叩きつけた映画は他に存在しない。「デス・レース2000年」と並び立つ問答無用の大傑作。
2位「愛のむきだし」(園子温)
 →永遠の傑作。言葉では説明しようのないいわく言いがたい衝動を誰かに叩きつけることをこの社会は決して認めない。わけのわからないもの、残酷なもの、汚いものを写した映画を多くの人は認めない。映画に限らず音楽でも普段の会話でもなんでも、とにかく人の前でそういうことをやってはいけないと大人は言う。個性が大事だとかうわべでは言いながら、普通ではないことをやる人間をこの社会は決して認めない。でもこの映画はそういったタブーを全部やった。普通ではないこと、誰もがあえて言わないこと、見ようとしないこと、聞こうとしないことをこの映画は全部描き切った。そして、それでいいんだよ!と胸を張って言ってくれた。自分が社会に対して抱いていた閉塞感を同じように共有する人間が確かにいると言うこと。そう思うことは決して間違ったことではないのだと言うこと。そう言ったことをこの映画が全て代弁してくれた。だからこの映画の輝きは永遠のものだ。それが他の人々にとってはどうしようもなく醜いものであったとしても。
3位「ヒルズ・ハブ・アイズ」(アレクサンドル・アジャ)
 →ゼロ年代に濫造されたリブートの中で、こいつ(アジャ)だけは本物だった。ロブ・ゾンビの「ハロウィン」リブートもザック・スナイダーの「ドーン・オブ・ザ・デッド」リブートもそれなりに良かったが、真にシネマティックに最高に面白い映画を作れたのはこいつ(アジャ)だけだった。永遠の傑作。
4位「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ジョージ・ミラー)
 →これを外すわけにはいかない・・・。
5位「ファイト・クラブ」(デヴィッド・フィンチャー)
 →人生が変わった。この物語が持つ強靭なメッセージに圧倒された。ラストに流れるPixiesのWhere is my mind?に頭を撃ち抜かれた。自分はインディー・ロックのすごさをこの映画から教わったわけでは決してないが、インディー・ロックから受けた自分の衝撃を見事に体現し、そしてフィードバック・ループのように増幅させたのは間違いなくこの映画だった。この物語の根底にある哲学は紛れもないインディー・ロックであり、グランジそのものだ。
6位「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(若松孝二)
 →映画のパワーを見せつけるとんでもない傑作。映画ってディテールでも役者の演技でもないんだよ!よくわからないエネルギーが渾然一体となった結果フィルムに刻まれたとにかくすごいとしか言いようのない何かこそが映画なんだよ!ということを教えてくれる偉大な作品。
7位「トゥモロー・ワールド」(アルフォンソ・キュアロン)
 →今やオスカー・ウィナーとなったアルフォンソ・キュアロンの隠れた傑作として知られる作品だが、やはり序盤でジュリアン・ムーアがマッドマックス軍団に襲撃されて死ぬまでとラストの市街戦のシークェンスにおけるエマニュエル・ルベツキのカメラワークを抜きにしてこの映画は語れない。ここでのルベツキの仕事は映画における撮影の技術史の一つの頂点であり、これがあるのとないのとでは映画の評価が全く変わってくるとすら言えるし、何よりそこで描破されたのは単なるアクロバットやクレショフ効果ではなく、混沌と言う名のこの時代の真実そのものなのだ。
8位「ウォッチメン」(ザック・スナイダー)
 →この映画が傑作だとは間違っても思わないが、冒頭10分間のイントロダクションは確実に時代を超える。
9位「DEAD OR ALIVE 犯罪者」(三池崇史)
 →ラストの荒唐無稽さが語り草となっているが、三池崇史の凄みは幕間のどうでもいいモーション・ブラーのような部分にこそ滲み出るのであり、特に粒子の荒い映像をコラージュするセンスにかけては当代随一の才能を持っていたことは、実はあまり語られない。というよりこの技術自体が90年代を最後に完全に失われてしまった。技術というより単なるトレンドだったのかもしれない。でも、あの手法だけが描き出せたこの世界の真実めいた何かは確実にあったのだ。この技術はもっと継承されるべきだと本気で思う。
10位「マーターズ」(パスカル・ロジェ)
 →映画の定義について考えさせられた作品。映画って結局、何か物とか人が映って物語めいたものが動いていればそれだけで成立するんだと言うことをここまで明らかにしてくれた作品はあまりない。この映画を構成する全てが常軌を逸しているように見えるのは監督が狂っているからではなく、そもそも映画という営為そのものが構造的な欠陥をはらんでいるからではないかとすら思えてくるほどに言葉の持つそのあらゆる意味において本当に異常な作品である。こんなに支離滅裂な物語であるにも関わらず、なぜかホラー映画として成立してしまっていることにいつ観ても驚きを禁じ得ない。意欲的なリブート以外でホラー映画のエポックとなり得る作品に出会うことは本当に稀になってしまったが、この作品が何かホラー映画のフロンティアめいた領域を切り開いてしまったことは確かな事実である。まあ、あまりにも前衛的すぎて誰も衣鉢を継がなかったことは残念だが・・・。この作品の直接的なフォローワーって何だろう?マンブルゴアか?いずれにせよ、それまでとそのあとのホラー映画のミームのどこにも接続していない正真正銘のカルト映画であり、この衝撃は永遠に不滅のものであるように思えてならない。


(以上、俺のベスト10)

こういうベスト10選びは小野耕世が言うように一種のお祭りなので、抜け落ちとか選ぶのを忘れた映画とかいろいろあろうが、まあこれも人生の年輪の一つと考えれば・・・。
俺も随分と歳をとりました。
最近はAmazonプライムで映画を観ることが増え、Blu-rayで買う映画は概ね60年代〜80年代の旧作ばかりでしかもシュリンクさえ開封せずに積んでいることが多いと言う有様ではある。
最近はネットフリックスの映画が批評的にも成功を収めるようになり、映画を巡る環境は確実に変わってきている。
そして、それは年々良くなっていると思っている。
まあ、シネコンでかかる映画といえばたいていがアメコミ映画ばかりになってきたような気もしてちょっとナード・オン・ナードに世界全体が寄りすぎてないかとも思うが、しかしそれでもworld will be elevatedなのです。MCUやジェームズ・ワンには全くスウィングできないが、カート・ディガーのままでも何か楽しくない。時代も変われば映画も変わるし、自分も変わっていく。近づいたと思えば遠ざかり、違うと思っていたことが実は正解だったりする。オールタイム・ベストなんてほとんどあってないようなもの・・・。ポール・ヴァーホーヴェン原理主義者であっても「グレート・ウォーリアーズ」を延々と観るだけの毎日で本当に良いのかと思う時もある。だからブラムハウス版ハロウィンもとても楽しみではある。

ということで、探求の旅はまだまだ続く。


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自己紹介:
島根県のハードコアバンド、ヤンキー少女改め、SOFT、改め爽やかJ-POPデスメタルバンドPOSTOVOIのギター・ボーカルです。

バンドとは別にソロプロジェクトとして、チップチューン・デス・メタルを追求するF.O.D(Fuck or Die)をはじめました。MySpace

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