島根県のハードコアパンクバンド、ヤンキー少女、改めSOFT、改めストーナーロックバンドPOSTOVOIのボーカルjunkieの公式ブログ!!!
SMAPによる「世にも奇妙な物語」の特別編が再放送されていた。
香取慎吾出演の「エキストラ」というエピソードは特に記憶に残る作品である。わたしはこれを小学生か中学生にならないかくらいのときに観て、身体の中でくすぶっていた感情が確信となっていったのを感じた、そういう想い出がある。これがわたしにとっての「怪奇大作戦」であり、良かれ悪しかれいまのわたしをフェノメーヌへとねじ曲げてしまったフラクタルのひとつとして君臨しているのである。
社会というものはある誰かの都合の良いように作られている。そのシステムは絶対であり、そこから逃れることは許されない。システムの前では人命など紙くずも同然である。
「エキストラ」で描かれるのはそういう世界である。誰かが主役を、誰かが端役を、演じることを強いられる、演じることが正しいことだと教えられる。
「ぼくはエキストラを降りたから、何もいらないんだ」
この衝撃は諸星大ニ郎に匹敵するか、もしくはそれ以上である。
このドラマが放送されて間もなくして日本でも新自由主義政権が台頭、システムによる合理主義、市場原理主義と自己責任論の腐臭に満ちた冷酷な時代が始まるのである。
それから数年、日本はどうしようもないくらいに残忍怜悧な人間、システムに依拠するという幻想のもとで浮遊した個が跋扈する国へと変貌を遂げた。「エキストラ」が暗示した未来社会そのものである。
「早く、何でもいいから台本をください」
この戦慄はジョージ・オーウェルに匹敵するか、もしくはそれ以上である。
2008年。
このドラマが再放送された意義は、あまりにも大きい。
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