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島根県のハードコアパンクバンド、ヤンキー少女、改めSOFT、改めストーナーロックバンドPOSTOVOIのボーカルjunkieの公式ブログ!!!
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「明日の試合は、ベトナムサッカー史上もっとも厳しい試合になるだろう」

ベトナムを率いるリードル監督は真摯に冷静に趨勢を受け止め、一抹のリリシズムさえ漂うような謙虚さでサッカーを見る。この丸いボールが転がっていく先に、いったいどれだけの人が関わり、どれだけの国家を律動させ、どれだけの感情が消費されていくか。それはある側面から見れば、反対側から世界を見れば、それはとても哀しいことでもある。その虚無感をこの指揮官は良く知っているのかもしれない。
しかし、ベトナムは客観的に見ても今大会屈指の好チームだろう。ワールドクラスのアタッカーを擁しているわけではないが、運動量とスピードを武器に、いくら単調だと言われようがワンタッチでサイドを抜く、強固なゾーンは完全な分業型で日本のそれのようにフレキシビリティはないが、自陣を細かく分割していた構成員たちがたちまち猛然と敵のピッチまで雪崩こむ、そのスペクタクルにはサッカーというものの数少ない品格が備わっている。

日本がほぼゲームを決定付けていた頃、ハノイに集まった地元大観衆がいっせいに歓喜の声を上げる。
同時刻に開催され、ベトナムが日本に引き分けるか或いは負けている場合には非常に重要な鍵を握ることとなるカタール対UAEで、セバスチャン・キンタナのPKでリードされていたUAEが1点を返したのだ。すさまじい歓声がこだまする。
この瞬間、サッカーはサッカーではないものへと転化していた。
それは人間というものの縮図でもあり、人間の意志の弱さ、孤独さ故の脆弱によってもたらされるおおよそ総ての人間の営為が、奇跡的に人間を救う時間でもある。人間の弱さが人間を強くしていく、奇跡のような時間。

リードル監督はやはり欧州型の指導者である。でも、ここまで叙情を含んで少し自信なさげな指導者は珍しいのではないか。彼はメツでもムソリッチでもマチャラでも、ましてやヒディンクでもない。
だけどおれはそういう指導者がいたって良いと思う。
リードル監督の「非効率的」で必ずしも「美しくない」サッカーに、おれは心から敬意を表します。

宇都宮徹壱さんのコラムが泣けます。→http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/
column/200707/at00013910.html



日本代表のスタメンはUAE戦と変わらなかった。序盤のオウンゴールで、一時は最悪の事態も想定したが、選手たちは冷静だった。ベトナムとしては、浮き足立っていたのではないか。突然の幸運で、良くも悪くもゲームプランを再構築していかねばならないことの難しさ。ゾーンはゾーンでも、中盤から少し下がればまったくプレッシャーが来ない。すかさずベトナムのアタッカーたちはプレスをかけるが、今度は前線へと飛び出す日本のアタッカーへロングフィードが飛ぶ。フラットな5バックの両端は数的優位を作って抜き、センターで強固な砦を築くベトナムのゾーンにギャップを作る。ベトナムは猛然と削りに行ってファウル覚悟で止め、カウンターのリスクを覚悟でUAE戦で見せたような爆発的なスペクタクルを以って日本陣内になだれ込むという選択肢もあったはずである。しかし、あの先制ゴールが脳裏をよぎったのか、なかなか決断できない。日本の攻撃は単調で必ずしもアクロバティックでもダイナミックでもないが、ベトナムの戦術を見抜いてその欠陥に自らの長所(サイドアタック)で臨んでいく。遠藤、駒野、高原が絡んでいく左サイド付近でベトナムは成す術もないが、それは始まる前からだいたいわかっていたこと。ベトナムは好チームだが、逆に好チームであることに固執してしまった。老獪な日本の攻撃に屈する。
とはいえ、この日の試合も日本はそこまで面白い攻撃は少なかったんだけど。
俊輔の右足のゴールまでに至る展開はアルゼンチンのように美しいのだけど、だけど、オシム監督の目指すサッカーというのは、必ずしもそういったものではないのだろう。

しかし、エキストラキッカー3人を同時起用する「カミカゼシステム(オシム命名)」は、アジアカップのグループリーグの3試合総てで用いられた。当然、中盤の守備は若干ではあるが緩慢になり、攻撃に用いるべき運動量を相手のポゼッションで奪われるリスクがあるわけで、今グループリーグ最大の天王山であると見られていたカタール戦ではさすがにバランスをとって走れる山岸を入れていたが、それがあまり機能しなかったために残り2戦は巻のフォアチェックと駒野の攻守に渡る運動量でそのリスクをケアしようという動きがあった。また、固定分業型の中盤は遠藤、憲剛、俊輔にそれぞれ役割を明確にし、単調ではあるが効果的な攻撃を導出することにも成功していた。だが、これが優勝候補となるサウジアラビア、韓国、イランのような国々と当たった場合、維持されていくのかどうかはなかなか予想の出来ないところであった。
そして、日本の準々決勝の相手は、何の因縁かオーストラリア。
今大会のオーストラリアはやはり遅攻のチームである。ロングボールに頼った中盤省略サッカーに出るのは後半、特にケーヒルの投入を嚆矢にしたパワープレー発動後に顕著になるだけであって、それもビドゥカがタメてのビルドアップへと繋げる展開が多い。基本的にオーストラリアは足元、足元をツータッチ以上で正確につないでいく。ブレシアーノ、キューウェルを主軸にした個人によるサイドでのタメ、もしくは突破からアウトサイドでのオーバーラップを行うが、基本的にはセンターを基点にする余裕ブッこいた遅攻なのである。そして、それらの攻撃はオマーン、イラク相手にはあまり機能しなかった(オマーン戦では運に嫌われていた側面もあってそれなりに見ごたえがあったけれど、イラク戦では完全に単調で読まれていた)。
オシム監督は前日練習ではやはり、後半のパワープレーを警戒しているようだが、おれとしてはエキストラキッカー3人がいかに自分たちがボールを獲られてから相手のオフェンスが開始されるスイッチングの局面で守備に貢献できるかが最大の鍵であると思う。個人的には、高原のトップに山岸、俊輔をウィングにするスリートップでなら、カミカゼシステムの継続はアリだと思うが、これはカタール戦のような縦の動きが緩慢になる危険性がある。かといって現行のカミカゼで行くと、どうしても守備が不安になる。相手がビドゥカ、アロイージのツートップで来る場合、フォアリベロ的に鈴木がラインに吸収されることはほぼ明白だ。その間、中盤の危険なエリアを誰がケアするのか。憲剛はカバーリング能力はだいぶ安定してきたが、オーストラリアの優れたアタッカーをどこまで対人でケアできるかには、少々問題がある。場合によっては今野、阿部、中澤でスリーバックを構成し、遠藤か憲剛、もしくはトップの1人を削ることもアリだと思う。今野、中澤、阿部はやったことない組み合わせではない(カタール戦で変則的にやっている)。
また、このチームはヨーロッパのチームとあまり対戦していない。ていうか、このまえのモンテネグロ戦だけじゃないのか。半分アフリカとか半分南米のチームとかとはいっぱいやってきたんだけど・・・オーストラリアのような確実に絞め殺していくような遅攻、個人技でサイドのマークのギャップを作られるような相手とは戦いなれていない。それが非常に不安。

だけど、この、周囲の関心のなさは何だろう。
この試合はアジアカップの事実上の決勝戦という意味ではなく、ほんとうに日本サッカーの今後を良くも悪くも左右する重要な一戦であるはずだ。再びオーストラリアに1-3で敗れたりした場合、代表ブランドが低下しサッカーにおける妙な戦勝ムード(勝利主義、決定力主義、効率主義)が台頭を始める、若干「ヤバイ」状況にある日本サッカーはまた大きく揺らぐことになろう。ほんとうに重要な意味を、特にピッチ外で持つ一戦であるのに、テレビではテレ朝とBSしかやらない。うちの地方ではテレ朝は基本的に映らないので、地上波しか観れない家庭では今回のこのビッグマッチを観ることは出来ないのである。だいぶ前にサッカー協会が放送権をスカパーへ優先的に取引させる方針を決めたそうだが、そんな目先の金儲けははっきり言って、長期的には確実に日本サッカーを殺すだろう。

ベトナムのあの歓喜、ああいったものがいま日本サッカーから消え去るか否か、その瀬戸際にある。
だからこそあのベトナムのサポーターたちの活況には胸が打たれたのだろうか。
だとしたら、少し、日本人としては哀しい話だ。


アジアカップ  日本vs.ベトナム  (4-1)
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島根県のハードコアバンド、ヤンキー少女改め、SOFT、改め爽やかJ-POPデスメタルバンドPOSTOVOIのギター・ボーカルです。

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