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島根県のハードコアパンクバンド、ヤンキー少女、改めSOFT、改めストーナーロックバンドPOSTOVOIのボーカルjunkieの公式ブログ!!!
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個人的私見を述べると、芸術というのは須らく作者の性別や境涯はもちろんのこと、その思想性や政治的な他意などとは無関係に語られるべきものだと思う。例えばセルゲイ・エイゼンシュテインはソビエト構成主義の歴史的巨匠として映画史において独立不羈の地位を不動のものとしているが、彼の作品はそのほとんどがレーニンの映画産業国有化宣言による恩寵を盾にとったコミュニズムのプロパガンダだ。フリッツ・ラングやレニ・リーフェンシュタールの幾つかの作品も本来は政治的な企図が背景にあって作られた芸術作品であるが、今日ではそういった外因はさておいて純粋に芸術として評価されている。

しかし、これは一概に判断できないある倫理的な問題を孕んでいる。その歴史的な背景として実際にひとが死んでいたり、戦争や虐殺のアジテーションに使用されていたりすると余計に問題は深刻となるし、たとえ純粋な娯楽として創出された作品でも、例えば陰惨な猟奇殺人事件が起こったその日の午後にトビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」やウェス・クレイブンの「鮮血の美学」とかをいくら名画だからと言っても放送するようなテレビ局は、やはり倫理に反していると言わざるを得ない。

さて、日本が誇るヘヴィ・ロック・バンドのCHURCH OF MISERYは「連続殺人鬼や食人鬼をモチーフにした音楽」を演奏することで世界的に人気があるカルト・バンドである。テッド・バンディ、エド・ケンパー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、アンドレイ・チカテイロ、アルバート・フィッシュ、とにかく欧米を震撼させた名だたるシリアル・キラーやサイコ・キラーたちを、その意図するところは知らないが片っ端からモチーフにしているのだ。ベーシストの三上達人は「ダークサイド・オブ・ロック」の中で、異常犯罪者を好んで題材にする点についてこう語っている。「自分にとってシリアル・キラーっていうのは"非現実的なもの"、"異常な化け物"ってことで、自分の好きな"プロレスラー"、"B級ホラー・ムービー"等と同一線上にあるんです。(中略)人によっては殺人を様式化していたりして、非常に芸術的な美しさがあると思います。(中略)ダーマー裁判ビデオを延々BGV代わりに流しながら焼肉弁当食ってたりして、オレってすげー不謹慎っすね
チャーチ・オブ・ミザリーの音楽は素晴らしい。しかし、彼らがとりあえず人界に起居することを許されるべきではない人間のクズに他ならないことも事実であるし、ファンを自認するリスナーたちもそのことを無視することはおろか正当化することも恐らく倫理的に許されないだろう。音楽が幾ら素晴らしくとも、そこで歌われている殺人鬼やキチガイたちに理不尽に引導を渡された犠牲者、そして遺族の無念を思うといたたまれない。人として、そして人としての倫理を死守するため、やはりこのようなバンドは駆逐し、その作品は焚書坑儒の対象にすべきなのではないだろうか。
しかし、それでも、それでも彼らの音楽は素晴らしい。ここからはシリアル・キラー・ワーシップのカルト・バンドという事実を一度忘れて、純粋な音楽作品として彼らのアルバムを俯瞰してみようと思う。

masterofbrutality.JPG

「Master of Brutality」

ファーストにして最高傑作。間違いなく名盤。何がどのように作用してこのような極上のヘヴィ・ロックが誕生したのだろうか?このアルバムは恐らく、ブラック・サバスの嫡流としての現時点での最高の作品であるばかりでなく、ブラック・サバスの現代的な解釈としてそのまま有効な音楽、つまり単なるブラック・サバスのクローンではなく新世紀を生きる我々にとっての第二のブラック・サバスとして屹立し得る、そのほぼ唯一のものだ。ブリティッシュ・ブルーズとサタニズムのアマルガムが世界各地へ播種され幾星露、爾来その禍々しい暗黒の影を渺茫たる狂気の沃野へと落としつづけてきた邪悪な遺伝子は結局、このような形、もっともプリミティヴで、そしてもっともシンプルな形で結実したのだ。それはまさしくヘヴィ・ロックにおけるオッカムの剃刀に他ならず、それは我々が今日に至るまで認識してきた総てのルネッサンスと同様の創傷を聴覚に、心根に刻み込む。
それ故にシリアル・キラー・ワーシップのカルト・バンドとしての文脈が付帯することは、この作品に限っては不幸なことだと言わざるを得ない。それは戯画的に誇張され、万人に伏在する猟奇性への知的好奇心を刺激し、もはや音楽としてでなく、禁治産者の生態の切片としてしか見られなくなる。それがたとえ音楽史に少なからぬ傷痕を打刻する優れたメルクマールとなり得るものであっても、その存在を世人に問う機会は限りなく散逸してしまうのだ。
とにかく名盤なので、極悪背徳バンドのファースト・アルバム、エド・ケンパーやジョン・ウェイン・ゲイシーらの陰惨な殺人事件に材を得た音楽という事実は一度忘れてただ無心に聴き入るべし。狂犬病者の嗚咽のようなボーカル、ペンタトニックの魔術にかかった優れたリフ、完成されたバンド・アンサンブルが織り成す馥郁たるヘヴィでサイケデリックで限りなくドゥーミーな地獄絵図。全6曲というコンパクトな構成も簡潔で良い。


thesecondcoming.JPG

「The Second Coming」

セカンド。前作がリフを基調にミッド・テンポでストイックに展開する正攻法のストーナー・ロックだったのに対し、今回はよりコマーシャルなヘヴィ・ロックへとスタイルを変化させている。そのためハード・ロックのベル・エポックへ思いを馳せるようなノスタルジーや、ドローンの方法論に接近した楽曲構成は陰を潜め、同工異曲のヴァラエティに富んだ内容と言えば聞こえは良いがとっちらかった軽佻浮薄な印象を抱くことも確か。単純にシリアル・キラーをモチーフにしたモンド音楽を求めているのならその限りでないが、前作で聴かせたようなペンタトーンとダウン・チューニングの魅力を活写したリフや圧倒的な量感、そして溢れんばかりの凶悪なアウラを堪能したい場合はあまり楽しめないアルバムだと思う。
とはいえ驚天動地のヘヴィ・リフが地鳴りを起こす「Candyman」や圧倒的質量で疾駆する「Red Ripper Blues」など、良曲揃いの優れたロック・アルバムであることに変わりはない。


housesoftheunholy.JPG

「Houses of the Unholy」

今年6月にイギリスのRise Aboveから発売された畢生のサード・アルバム。すごい!傑作!!!
先ず、アートワークが素晴らしい。ディスクの表がレコード盤を模したものになっているデザインは今でこそ珍しいものではないが、本盤がすごいのは裏面も黒くなっている点だ。プレステのゲームソフトのように黒い。この徹底ぶりにまず脱帽する。
肝心の内容もそれに呼応するように黒い。ただただ黒い。セカンドが少々マスに阿諛した内容だったのに対して、今回はファーストが孕んでいた凄まじいまでにドス黒い邪悪なオゾンが復古し、全編に渡り終末的な暗澹たる臭気が立ち込める。それはサタニズムでもスワンズのようなアンダーグラウンドのジャンクネスでもなく、まさにチャーチ・オブ・ミザリーでなければ導出できない種類の暗さ。もはやパンドラの箱から総てのポジティヴな要素が拭底し、あらわになった箱の内奥を見せ付けられているような壮絶なヘヴィネスの応酬に神経が扼殺されていく。楽曲のクオリティの高さは言わずもがな、圧倒的な物量で迫り来る低音と音楽的な快楽で横溢したフレージングの核融合、その破壊力は冷酷無比にして疾風迅雷の如し!とりあえず果てしなき黒の無限の深淵へとどこまでも転落していく、凄まじいまでにドス黒い極上のヘヴィ・ロック。ここにまたひとつ、名盤が誕生した・・・。
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無題
いかにも自分はまともでイテリジェンスに溢れた素晴らしい人間ですみたいな自惚れた文章で読んでいて気持ち悪かったです。
2014/06/10(Tue)19:04:24 編集
無題
名無しさんこんにちは。
チャーチオブミザリー云々関係なくおれの人格批判がしたいのでしょうか。
ずいぶん婉曲的なコメントですね。
できればもっと具体的な例示を交えて論理的に大喝していただければ議論も盛り上がるのですが。
junkie 2014/07/02(Wed)00:54:30 編集
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島根県のハードコアバンド、ヤンキー少女改め、SOFT、改め爽やかJ-POPデスメタルバンドPOSTOVOIのギター・ボーカルです。

バンドとは別にソロプロジェクトとして、チップチューン・デス・メタルを追求するF.O.D(Fuck or Die)をはじめました。MySpace

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