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島根県のハードコアパンクバンド、ヤンキー少女、改めSOFT、改めストーナーロックバンドPOSTOVOIのボーカルjunkieの公式ブログ!!!
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NHKで「ドリームガールズ」(Dreamgirls)を鑑賞。

 

ミュージカルを原典とした映画が最近のひとつの潮流なのだそうだが、ドリームワークス製作でシュプリームスに材を得たドリームズが主役の「ドリームガールズ」って、どんだけドリームなんだよ(笑)

この映画に興味があったのは監督がビル・コンドン(Bill Condon)だからだ。「ゴッドandモンスター」(Gods and Monsters)という映画を覚えているか?ユニヴァーサル黎明期の「フランケンシュタイン」「フランケンシュタインの花嫁」で名を馳せたジェームズ・ホエールの人生に焦点をあてた地味な小品であったためか日本では劇場未公開に終わりビデオ・スルーとなったが、本国では1998年の米アカデミー脚色賞を受賞するなどそれなりに評価された作品である。この作品の監督と脚本を担当したのがビル・コンドンだ。
わたしはこの映画を中学二年生くらいのときに観た。来ましたよ中二病(笑)。アカデミー脚色賞、しかも主演が「ハムナプトラ」で脚光を浴びていたブレンダン・フレイザーとあって、ビデオ・ストレート作品の中の隠れた逸品をサルベージする映画雑誌のよくある特集で取り上げられていた。しかしわたしの耳目を惹いたのは、監督のビル・コンドンのそれまでのキャリアに「キャンディマン2」の名があったからだ(笑)。トニー・トッドの何がそんなに好きだったんだろうか(笑)。とにかく「キャンディマン」は当時、死ぬほど圧倒された映画だった。あの「羊たちの沈黙」が10回滑って転んだような映画の続編を撮った監督!!!中二病が炸裂していた当時のわたしの脳内のパラダイス銀河は、この一点に並々ならぬアウラを感じ取ったのだろう。
いや、違う。そうではない。「キャンディマン2」も重要だったが、何にも増してわたしの心を魅入ったのは、ジェームズ・ホエールを演じたイアン・マッケランの存在であった。
イアン・マッケラン。
「X-MEN」のマグニートーや「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフで知られるイギリスの国民的名優だが、やはりブライアン・シンガーの「ゴールデン・ボーイ」(Apt Pupil)で演じた隠れナチの老人役、これに尽きる!軍服に身をつつみ毅然と軍靴を鳴らしながらも、葬ったはずの闇の記憶に苛まれる隠遁ナチスの孤独!!!あの強烈なイメージの残光は未だにわたしの身体から褪色することがない。あの「ゴールデン・ボーイ」、そして「ゴッドandモンスター」を観てイアン・マッケランに対するわたしの評価は決まったのだった。
「ゴッドandモンスター」に言い知れぬリアリティを与えていたのはイチにもニにもイアン・マッケランである。「ゴールデン・ボーイ」同様、この映画もイアン・マッケラン師父の存在なくして、とても成立し得ない。
「ゴッドandモンスター」の重要なテーマはイアン・マッケラン演じるジェームズ・ホエールのゲイ・ピープルとしてのアイデンティティの問題である。そしてこれがもっとも重要なのだが、イアン・マッケランはガチムチのリアル・ゲイである。
中学生のとき、「ゴッドandモンスター」は何が何だかよくわからん映画でしかなかった。あれから約、十年経った。今観てもよくわからん映画かもしれない。でもイアン・マッケランのあのマジな演技を忘れることはない。ゲイであることを公言し、同性の恋人がいることをカミング・アウトする孤高の演技派俳優、イアン・マッケラン。作品のクライマックスはもちろんイアン・マッケランとブレンダン・フレイザーの一世一代の薔薇薔薇パラダイス銀河だ!!!と思っていたら、わりとヘヴィで現実的な結末だったように記憶している。ていうかあんまり覚えてない。んーと、ブレンダン・フレイザーがイアン・マッケランの求愛をにべもなく一蹴してこの「変態ジジイ!!!」みたいな裂帛の叫びをあげていた辺りは覚えてるけど、精確な記憶ではない。だからこの映画、もう一回観たい。同じハリウッド揺籃期(ヘイズ・コード黄金期)の業界内幕モノとしては、スコシージ&デカプーのクソ映画「アビエイター」なんかより数億倍おもしろかったし。


閑話休題。

そんなビル・コンドンが手掛けた「ドリームガールズ」は、シュプリームスとモータウン・レコードが成り上がってメンバーやマネージャーとの不和を乗り越えて大成して最後はファミリーが和解して大団円を迎える話だから普通に感動して普通に元気が出て普通に「明日もがんばろう」と思わせてくれるハリウッド・ライクな映画でした。まる。

・・・で、物語そのものはどうでもいいというか観る前からわかる内容にノリのよい歌が死ぬほど垂れ流されるだけの映画なのでまあ平たく言ってやっぱりどうでもいいんですが、何だかんだでミュージカルの映画化ということで楽曲が洗練されていてよろしいです。・・・と思いましたがミュージカル映画に関してあまりにも何も知らないので、うかつな発言は控えます。

この映画で印象に残ったのは、やはり当時の黒人ショー・ビジネスは(いまもそうだと思いますが)家族興行だったということ。そしてそれを売り出すのも単なるコネクションを超越した兄弟仁義で、ここら辺はマフィアとかサグがいっぱい出てきて生半可なホラー映画が裸足で逃げ出すすげぇコワイ話になると思ったんですが、そこはミュージカル映画、適度にオブラートに包んでいました。「マフィアの出資」って何なの!!!ねぇ、何なの!!!ミカジメに何を持ってかれるの!!!・・・全部オブラートで闇の中です。
あと、黒人のドメスティック・バイオレンスが生半可なパラノーマル・アクティビティなんかより死ぬほど恐ろしいこともツトに有名な話ですが、そこもまたミュージカル映画、適度にシュガー・コーティングしていました。あとあと、当時の黒人ミュージシャンとドラッグの蜜月はあんなもんじゃなかっただろ、とか思いましたが、実際どうだったんでしょうか。マイルス・デイヴィスがスライ・ストーンの家に行ったらボウル一杯分にマリファナが盛られてみんなで吸っていて「さすがにあれはヒイた」話とか、いろいろあったはず。・・・でもそれもニワカ知識なので、やはりうかつな発言は控えます。


それでいちばん良かったと思ったのは、エディ・マーフィーが「ソウルのない音楽はダメだ!!!」というようなことを言っていた場面だったりします。あの場面、すごい良かったです。「音楽はソウルだ!ソウルなんだ!!!」
それで場末の安酒場のしがない中年バンドがおもむろに演奏をはじめたブルーズが、彼によれば「ソウルフルな音楽」だったのだそうです。なんか良い話じゃない?


ソウルって何だろう。ソウルのある音楽ってなんだろう。わかりません。「ドリームガールズ」のサントラにヒントがありそうでないような気もします。とりあえず、わたしは今日から「ソウルフルな音楽」を探求するためにジミヘンを真剣に拝聴することにしました。
なぜって「ドリームガールズ」はサブテーマとして、「黒人が作ってきた音楽、みんな白人がパクリやがった!!!」という、白人の悪辣な搾取に対する婉曲的な告発というメッセージを内包していたからです。日本人の日本語ロックが全部ニセモノ、という意見は安直過ぎるけど、あながち間違ってもいないというのは舶来文化という歴史的出自を考えれば当然です。黒人音楽をパクった白人音楽を更にジャパナイズしているわけですから。しかし、それをいうと総ての文化的創作物はおしなべて何かの文化的嫡子であり、そして文化的私生児であります。だからそれを言うのはナンセンスだよ、要はそこにグルーヴとかメッセージや、そしてソウルがあるかどうかさ、とかのたまうアホどもが悪しき疑似科学を垂れ流してしまうという残念な現象が起こったりします。「ドリームガールズ」が提起するソウルの問題が、そういった悪しき相対主義、悪しき疑似科学とは無縁のものであることを信じたいです。

第一、第二、第三世界の貴賤の区別なく世界の総てを覆う、総ての大衆音楽のデファクト・スタンダードは黒人の血脈を汲んでいること。我々がポップだと感じ、ハードだと感じ、ダンサブルだと感じ、グルーヴィーだと感じ、そしてソウルフルだと感じる総ての音楽が、ブラック・アメリカン、アフリカン・アメリカンのコミュニティの中から誕生したこと。
そういった構造主義的な側面から観ると、「ドリームガールズ」もモータウンもスライ&ザ・ファミリー・ストーンもジミ・ヘンドリックスもスレイヤーもMGMTも、いつもとは違って見えるかもしれません。

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自己紹介:
島根県のハードコアバンド、ヤンキー少女改め、SOFT、改め爽やかJ-POPデスメタルバンドPOSTOVOIのギター・ボーカルです。

バンドとは別にソロプロジェクトとして、チップチューン・デス・メタルを追求するF.O.D(Fuck or Die)をはじめました。MySpace

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